盂蘭盆会/風流(ふりゅう)踊り

盂蘭盆会

毎年、7月15日(旧暦)になると笠野の宝泉寺では、盂蘭盆(うらぼん)の法要が行われます。
私・紫乃も友の伽倶羅も、善慈坊を手伝って準備におおわらわ。

お盆の行事は『仏説盂蘭盆経』というお経のなかで、お釈迦さまの高弟・目連(もくれん)が、餓鬼道に堕ちた母を救うため、
僧たちが雨季の修行を終えた7月15日に飲食を施した、といういわれに基づくとされます。


亡き人を思う気持ちは昔も今も同じ。
戦乱の中世では、亡き方々をご供養するとともに、この時期を格別の思いで迎えます。

中世では、最も死者の多い時期が夏なのです。
冬にまいた麦の刈り取り、田植えなど、猛暑の季節に過酷な労働がつづき、
雨が降らなければ旱魃になり、梅雨が長引けば疫病が発生します。
もし、麦や野菜が不作なら、秋のお米の収穫までに食べ物が底をついて
飢えて死ぬことにもなるのです。

現代は新暦の7月、または8月15日前後がお盆の季節ですが、旧暦7月15日は新暦にすると8月の終わり頃。
夏野菜の収穫が無事終わり、過酷な夏を乗り越えて、生きていることを躍り上がって喜ばずにはいられない。

生への強い思いが風流踊り(ふりゅうおどり。盆踊り)となってあふれ出します。

さあ、境内にかがり火が焚かれました。
本堂前の広場で、人々が踊り明かします。
笠野の若殿・秋津晴方さまもお越しになり、楽しげにご覧になります。

お寺では、お酒は厳禁!なのですが・・・今宵ばかりはご容赦を。

そうしていよいよ、実りの季節を迎えます。


◆参考◆
『中世の民衆生活史』木村茂光著(青木書店)
『ハタケと日本人 もう一つの農耕文化』木村茂光著(中公新書)
『復元戦国の風景』西ヶ谷恭弘(PHP研究所)
『仏教べんり事典』(大法輪閣)
『光明』真言宗豊山派季刊誌
ほか



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