中世の花

中世の花

椿の美しく咲く季節です。
一口に椿と言っても、現代には本当に多くの品種がありますね。

中世で椿といえば、藪椿のことでした。
桜といえば、山桜。
薔薇といえば、野茨。
紫陽花といえば、額紫陽花。。。

周りで目にする花は、みな自生種(原種)なのです。
交配によってたくさんの種類を作り出し、愛で始めるのは主に江戸時代、太平の世になってから。

原種は、色も形もとてもシンプル。
ちょっと寂しい気がするでしょうか?
しかし、中世の美意識、能や茶の湯などの「抑える文化」は、そんな風景とも関連があるように思われます。
花が自己主張しすぎず、山の中にそっと咲いている風情。

どんな色や形の花も、人工的に作り出すことが可能となりつつある現代。
強い色や派手な形は、そればかりだと疲れてしまう時があります。
自然にひっそり咲く花に思いを寄せてみると、心が安らぐかもしれません。



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